WHO神戸センターは、拠点を置く兵庫県や日本のコミュニティーへの貢献活動の一環として、健康に関するさまざまなテーマのフォーラムを開催しています。2025年3月6日、第30回日本災害医学会総会・学術集会記念大会において、WHO神戸センター主催の「WKCフォーラム」が実施されました。「災害医療における国際協力の強化:WADEM 2025 東京会議に向けて 災害大国日本からの国際的発信・寄与の道を探る」と題したフォーラムには、約100名の災害医療関係者や研究者が参加しました。

フォーラムでは、WHO神戸センターの茅野龍馬医官が「災害対策と健康危機管理ーエビデンスを創出するためのWHOの取り組みと今後の展望、期待される日本からの貢献ー」と題した講演を行い、災害医療における科学的エビデンスの重要性について詳しく解説しました。また、災害時の不確実性に対応するためにはエビデンスの蓄積が不可欠であり、WHO神戸センターが中心となって進める研究ネットワークの意義について述べました。
セッションでは、災害医療における健康危機管理の強化をテーマに、さまざまな課題とその対応策についての議論が展開されました。参加者からは、現場での課題や実践的な知見が共有され、今後の研究や政策提言に向けた具体的な提案が寄せられました。
特に、2025年5月に東京での開催が予定されている世界災害救急医学会(WADEM)の国際会議に向けた重要な提言が多く示され、国内外の連携強化に向けた貴重な機会となりました。
本フォーラムでは、日本からの貢献が今後のグローバルな災害医療の発展に大きく寄与することが強調されました。これらの議論や提言は、WADEM国際会議に向けた重要なステップとして位置付けられており、国際的な専門家の連携強化や災害対応・備えの進展に貢献することが期待されます。