コラボレーションで築く健康とレジリエンスの推進

2024年12月3日
ニュースリリース

2024年11月29日、WHO神戸センター(WKC)は第8回世界災害看護学会学術集会(WSDN 2024)の一環として「WKCフォーラム」を開催しました。本フォーラムのテーマは「災害や緊急事態に備える、健康とレジリエンス向上のために:2030年とその先を見据えた学際的コラボレーション」であり、多様な分野の専門家が健康危機や災害の課題に取り組むための活発な議論の場となりました。

このイベントは兵庫県のJICA関西で開催され、72名の現地参加者と47名のオンライン参加者、さらに13名の講演者を含む合計132名が参加しました。この多くの参加者数は、災害看護、公衆衛生、災害リスク管理など幅広い専門分野におけるフォーラムの重要性を反映しています。

WKC forum

未来を築くステージ

フォーラムはWHO神戸センターのバーバー・サラ・ルイーズ所長による開会挨拶で始まり、災害への備えを進める上でのグローバルパートナーシップの重要性が強調されました。所長は、健康と災害リスク管理を日常的な実践に統合する必要性を訴え、より強靭でレジリエントなシステム構築への取り組みを呼びかけました。

また、フォーラムのモデレーターを務めたWKCの茅野龍馬医官は、パネルセッションで自身の洞察を交えながら議論を深めました。本フォーラムの目的について、「学際的な連携は単なるアプローチではなく、健康危機への対応における成功の礎です。健康、技術、災害管理の専門知識を結集することで、私たちのシステムはより適応力があり、変化し続ける世界の課題に対応できるレジリエントなものへと変革できるでしょう」と述べました。

2030年以降の災害看護の未来を探るパネルディスカッションでは、地域の知見とグローバルな枠組みを活用する重要性が強調されました。専門家たちは、スマートシティソリューションなどの革新的な技術を健康システムのレジリエンスに統合する一方で、災害看護に不可欠な人間中心のアプローチを維持することの必要性について議論を交わしました。

未来へのビジョン

フォーラムは、得られた教訓を実践的な解決策に変えることへの共通のコミットメントとともに幕を閉じました。参加者たちは、地域社会のレジリエンスと健康システムの備えを強化するための協力体制と能力構築イニシアチブの必要性を強調しました。

茅野医官はフォーラムの影響をまとめて次のように述べました。「多様な声が一堂に会することで、アイデアを交換するだけでなく、より安全で健康的な未来への実行可能な道筋を生み出すことができました。2030年以降に向かう道のりには、このような学際的な取り組みが欠かせません。」

変化の触媒

WKCフォーラム2024は、WHO神戸センターが2018–2026研究計画の一環として進める健康危機および災害・健康危機管理(Health EDRM)の推進への取り組みを改めて示しました。本フォーラムは、コラボレーションと革新を推進することで、健康危機というますます複雑化する課題への対応に向けた明確な議題を提示し、参加者全員に大きな影響を与える結果となりました。