WHO神戸センターは設立30周年を記念し、30年間の成果を紹介する 報告書と動画を作成しました。これまで当センターの活動に携わった著名な専門家や共同研究者の方々のインタビュー、センターから羽ばたいていったインターンからのコメントも掲載されています。
WHO本部直轄のグローバルな研究センターである当センターは、兵庫県神戸市に拠点を置いています。1995年8月、当時の兵庫県知事と神戸市長から、国際的な健康開発に貢献するための画期的な提案がWHOに対して行われ、設立に至りました。センターの設立は、1995年1月に発生した阪神・淡路大震災からの復興と希望のシンボルとなり、この30年の間、世界の健康に関わる活動と地域社会への貢献という2つの使命を果たしてきました。
当センターはこれまで、健康や開発の分野で今後予期される課題や新たに発生した課題に取り組み、日本と海外の社会的・技術的イノベーションに関して情報交換を促すことで、同様の課題に直面する他の国々とともに得た教訓や知見を共有してきました。
設立当初、当センターは神戸において、都市部の健康や人口高齢化、女性の健康、たばこの規制、暴力(バイオレンス)などの課題に関する国際的な会議やシンポジウムを開催することで認知度が高まりました。また、健康の社会的決定要因に関する委員会の研究拠点の一つ「都市環境研究情報ネットワーク(KNUS)」の事務局となり、都市内および都市間の健康の格差を測定する「都市における健康の公平性評価・対応ツール(アーバン・ハート)」を開発。さらに、健康危機に対する備えおよび対応に関する研究分野でも功績を残しました。
当センターは2016年以降、250以上の研究報告書と出版物を発表し、健康な高齢化や、継続的なケアを含むユニバーサル・ヘルス・カバレッジのための持続可能な資金調達、医療・社会的ケアの満たされていないニーズの測定、そして災害・健康危機管理に関する政策立案に役立つエビデンスを提供してきました。これらの活動および成果は、159の国内外の機関との共同研究やパートナーシップに支えられてこそ実現可能でした。
また、神戸グループ(兵庫県、神戸市、神戸商工会議所、株式会社神戸製鋼所)のたゆまぬご支援と、兵庫県と神戸市の皆様のご支援とご協力がなければ、こうした成果は達成できませんでした。関係するすべての皆様に感謝いたします。