新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するQ&A(2021年5月13日改訂版)

2021年5月12日 | Q&A

WHOは今回のパンデミックについて引き続きモニタリングを行い対応しています。このQ&Aは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の詳細、感染経路、世界中の人々への影響が明らかになった時点で随時更新されます。詳細はWHOのCOVID-19ページを定期的にご確認ください。

COVID-19は、SARS-CoV-2と呼ばれる新型コロナウイルスによって引き起こされる疾患です。WHOは中国の武漢で「ウイルス性肺炎」患者のクラスターの報告を受け、2019年12月31日に初めてこの新型ウイルスを確認しました。

ほとんどの場合、分子検査を行ってSARS-CoV-2を検出し、感染を確認します。PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)は最も一般的に使用される分子検査です。検体は鼻や喉から綿棒を使用して採取します。分子検査では、ウイルスの遺伝物質を検出可能なレベルまで増幅させて、検体の中のウイルスを検出します。そのため通常はウイルスにさらされてから数日以内かつ症状が出始める頃に、分子検査を行って感染を確認します。

 

詳しくは動画「 5分でわかるサイエンス:さまざまな検査」をご覧ください。

COVID-19の感染者と接触した場合、体調が良くても感染する可能性があります。

 

COVID-19の感染者との接触があった場合は次のことを行ってください。

 

  • 医療機関またはCOVID-19ホットラインに電話し、いつ、どこで検査を受けられるかを問い合わせてください。
  • ウイルスの拡散を防ぐために、接触者追跡調査にご協力ください。
  • 検査ができない場合には、14日間自宅で待機し他の人と接触しないでください。
  • 自宅待機の間は、職場や学校、公共の場には行かないでください。知り合いに必要なものを持ってきてもらいましょう。
  • 家族を含めて、人との距離を1メートル以上取りましょう。
  • 医療機関で受診する必要がある場合などは、他の人を守るために医療用マスクを着用してください。
  • こまめに手洗いをしてください。
  • 他の家族とは別室で過ごし、それが不可能な場合は医療用マスクを着用してください。
  • 部屋をしっかりと換気してください。
  • 共用の部屋では、ベッドを少なくとも1メートル離してください。
  • 14日間、何らかの症状が出ていないか健康状態を観察してください。
  • 電話やインターネットで大切な人と連絡を取り合ったり、家で運動したりして、前向きに過ごしましょう。

 

マラリアやデング熱のある地域に住んでいる人は、熱が出た場合は医療機関で受診してください。医療機関への移動中や治療を受けている間は、マスクを着用し、他の人から1メートル以上離れ、ものの表面を手で触らないようにしてください。これは大人にも子供にも当てはまります。詳しくはマラリアとCOVID-19に関するQ&Aをご覧ください。

症状が出ても、ほとんどの人(約80%)は病院での治療を必要とせずに回復します。約15%が重症化して酸素吸入を必要とし、5%が重篤となり集中治療が必要になります。

 

死亡に至る合併症としては、呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、敗血症、敗血症性ショック、血栓塞栓症、そして心臓・肝臓・腎臓の損傷を含む多臓器不全が考えられます。

 

まれに感染から数週間後に小児が重篤な炎症症候群を発症する場合があります。

はい。最初の集団予防接種プログラムは2020年12月初旬に開始され、投与されたワクチンのの回数は毎日更新されています。少なくとも13種類の異なるワクチン(4つのプラットフォーム)が接種に使われています。206の国や地域で接種が開始されています。

 

ファイザー/ビオンテック社のコミナティワクチンは、2020年12月31日にWHOの緊急使用リスト(EUL)に加えられました。

 

アストラゼネカ/オックスフォード大学開発のCovishield(SII社)およびAZD1222(アストラゼネカ社)ワクチン(それぞれState Institute of IndiaおよびSK Bio社製造)は、2021年2月16日にEULに追加されました。ジョンソン&ジョンソン社開発のAd26.COV 2.S(ヤンセン社)は、2021年3月12日にEULに追加されました。モデルナ社のmRNA 1273ワクチンは2021年4月30日に、シノファーム社のCOVID-19ワクチンは2021年5月7日にEULに追加されました。シノファームワクチンは、China National Biotec Group(CNBG)の子会社であるBeijing Bio-Institute of Biological Products社によって製造されています。

 

ワクチンは安全性と有効性が証明されたのち、各国の規制当局の承認を経て、厳格な基準に沿って製造され、そして供給されなければなりません。WHOは世界中のパートナー機関と協力してこのプロセスにおける重要な段階を調整するための支援を行っており、その一環として安全で有効なCOVID-19ワクチンを必要とする何十億もの人々のためにワクチンの公平な供給に向けて取り組んでいます。COVID-19のワクチン開発に関する詳細はこちらをご覧ください。

症状のある場合は可能な限り検査を受けてください。また症状がなくても、感染者または感染疑いがある人と接触した場合も、検査を検討しましょう。最寄りの保健所に連絡し、その指示に従ってください。

 

検査結果を待っている間は、他の人との接触を避けなければなりません。検査の体制が十分でない場合は、まず医療従事者のように感染のリスクが高い人や、高齢者、特に高齢者住宅や長期介護施設で生活している人など、重症化するリスクが高い人を対象に検査を行う必要があります。

世界中の科学者が、COVID-19の治療法の研究・開発に取り組んでいます。

 

最適な対症療法としては、重症患者や重症化のリスクがある患者には酸素吸入を、また重篤の患者には人工呼吸器を使用した高度な呼吸補助を行います。

 

デキサメタゾンはコルチステロイドの一種で、人工呼吸器を使用する期間を短縮し、重症患者や重篤の患者の命を救う効果があります。詳しくはデキサメタゾンのQ&Aをご覧ください。

 

WHOのSolidarity Trialの結果によると、レムデシビル、ヒドロキシクロロキン、ロピナビル/リトナビル、インターフェロンの各療法は、入院患者におけるCOVID-19の28日以内の死亡率もしくは院内経過に対して、ほとんどまたは全く影響を及ぼさないことが示されています

 

また、ヒドロキシクロロキンがCOVID-19の治療に有効であることは示されていません。詳しくはヒドロキシクロロキンのQ&Aをご覧ください。

 

WHOはCOVID-19の予防・治療のために、抗菌薬を含むいかなる医薬品によっても自己治療を推奨していません。COVID-19の治療法の開発に向けた取り組みは進行中のため、新しい情報が得られ次第提供していきます。

60歳以上の人や、高血圧、心臓・肺の疾患、糖尿病、肥満、がんといった持病を持つ人は重症化のリスクが高くなります。

 

しかしCOVID-19は年齢を問わず発症し、誰もが重症化または死亡する可能性があります。

COVID-19を示すような症状が出たら、医療機関またはCOVID-19ホットラインに連絡して指示を仰ぎ、いつ、どこで検査を受けるべきか確認し、14日間は他の人から離れて自宅で待機して健康状態を観察してください。

息切れ、または胸の痛みや圧迫感がある場合は、すぐに医療機関で診察を受けてください。事前に医療機関やホットラインに電話し、適切な医療機関を紹介してもらいましょう。

マラリアやデング熱のある地域に住んでいる人は、熱が出た場合は医療機関を受診してください。

 

検査・評価・隔離のために医療センターを訪れるよう推奨されている地域では、施設への移動中や治療中は医療用マスクを着用してください。また、他の人から1メートル以上離れ、ものの表面を手で触らないようにしましょう。これは大人にも子供にも当てはまります。

COVID-19の最も一般的な症状は以下の通りです。

  • 発熱
  • 空咳
  • 倦怠感

 

一般的ではありませんが、人によっては以下のような症状があります。

  • 味覚や嗅覚の消失
  • 鼻づまり
  • 結膜炎(目の充血)
  • 喉の痛み
  • 頭痛
  • 筋肉痛および関節痛
  • さまざまな種類の皮膚の発疹
  • 吐き気と嘔吐
  • 下痢
  • 寒気または目まい

 

重症の場合は以下のような症状があります。

  • 息切れ
  • 食欲不振
  • 錯乱
  • 胸部の持続的な痛みや圧迫感
  • 高熱(38℃以上)

 

その他のあまり一般的でない症状は以下の通りです。

  • 興奮
  • 錯乱
  • 意識の低下(時に発作を伴う)
  • 不安
  • うつ状態
  • 睡眠障害
  • 脳卒中、脳の炎症、せん妄、神経損傷など、より重篤で稀な神経学的合併症

 

呼吸困難や息切れ、胸部の痛みや圧迫感、または話す時や動く際の不自由さを伴う発熱や咳を感じた場合は、年齢を問わずすぐに医療機関を受診してください。可能であれば、まずは医療機関またはホットラインに電話して、適切なクリニックを紹介してもらいましょう。

COVID-19に罹患した人の中には、入院を必要としたかどうかにかかわらず、倦怠感や呼吸器症状、神経症状などが続く人もいます。

 

WHOは「COVID-19の臨床管理のためのグローバル・テクニカル・ネットワーク」を通じて世界中の研究者や患者団体と協力し、初期の急性期を経た患者に関する研究を計画・実行し、長期的な影響、影響を受ける期間、そのような影響が生じる理由を調査しています。これらの研究は患者の治療のための新たなガイダンスを作成する際に活用されます。

抗菌薬はウイルスに対しては効かず、細菌感染にのみ効果があります。COVID-19はウイルスによって起こるため、抗菌薬は効きません。COVID-19の予防や治療の手段として抗菌薬を使用すべきではありません。

 

病院では、重症患者がCOVID-19の合併症としてかかることがある二次的な細菌感染の予防や治療のために抗菌薬を使用する場合があります。抗菌薬は細菌感染の治療のために医師の指示に従ったかたちでのみ使用する必要があります。

抗体検査では、症状がない場合でも過去に感染していたかどうかを知ることができます。血清学的検査としても知られ、一般的に血液の検体を用いて行いて、感染に対して作られる抗体を検出します。ほとんどの場合感染から数日〜数週間後に抗体ができ始めるため、その抗体から過去に感染していたかどうかが分かります。抗体検査は感染や発症の初期段階にある人を診断するために使用することはできませんが、その人が過去に感染したかどうかは判明します。

隔離と自宅待機はいずれもCOVID-19の拡大を防ぐための方法です。

 

自宅待機とは、COVID-19を引き起こすSARS-CoV-2ウイルスの感染者に接触した人が、その感染者の症状の有無にかかわらず行う行為です。ウイルスにさらされ感染した可能性があるため他の人から離れておくことを指し、自宅(や指定の施設)で行われます。COVID-19の場合は自宅(または施設)での14日間の待機を意味します。

 

隔離は、COVID-19の症状がある人や、ウイルスの陽性反応が出た人が行います。他の人から離れていることを指し、理想的には臨床的な治療を受けられる医療機関で行われます。医療機関での隔離が不可能で、重症化する危険性が高くない場合は、自宅での隔離が可能です。症状がある場合は少なくとも10日間の隔離に加え、症状がなくなった状態で3日間隔離された状態を保つ必要があります。感染していても症状が出ない場合には、陽性判定が出た時点から10日間隔離する必要があります。

インフォグラフィックのPDFはこちらから。

COVID-19にさらされてから症状が始まるまでの期間は平均して5〜6日ですが、1〜14日の幅があります。このためウイルスに曝露した人は、特に検査が容易にできない場所では、ウイルスの拡散を防ぐために14日間は自宅で待機し、他の人と離れて過ごすことが推奨されています。

迅速抗原検査または迅速診断検査(RDT)は、ウイルスのタンパク質(抗原)を検出します。検体は鼻や喉から綿棒で採取します。この検査はPCRより安価でより早く結果を得られますが、一般的に精度は低くなります。地域の中で多くのウイルスが蔓延している場合や、個人の感染力が最も高い時期に検体を採取した場合に行われると最も効果的です。

簡単な予防策を講じることで安全を図れます。例えば物理的距離の確保、マスクの着用(特に距離を取れない場合)、部屋の換気、人混みや濃密な接触の回避、定期的な手洗い、咳をする際は袖やティッシュにすることなどがあります。住んでいる地域や職場のアドバイスを確認してください。できることはすべてやりましょう!

 

一般向けのアドバイスに関する詳細は こちらのページをご覧ください。