災害・健康危機管理 (Health EDRM) において十分な情報に基づいた意思決定を行うためには、エビデンスの存在は不可欠です。そのようなエビデンスを提供するには、質の高い研究と適切な研究目的が必要です 。WHOの「災害・健康危機管理の研究手法に関するWHOガイダンス」は、30カ国、そして、WHO本部及び地域事務局(PAHO、AFRO、EMRO、EURO、SEARO、WPRO)から164人の著者が参加して2021年に作成されました。 ガイダンスに最新の情報を反映するために、記載内容は定期的に更新されます。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック下で、研究に対する需要が増加したことを受け、WHO神戸センターはグローバル・パートナーと協力し、ガイダンスにCOVID-19の文脈で研究を実施するためのチャプターを2022年10月に新たに追加しました。

    本ガイダンスは、緊急時・災害時の研究の計画、実施、報告について 44章にわたって包括的な解説を記載しています。研究者、政策立案者、実務者向けに、以下のようなガイダンスを提供することを目的としています。

    • Health EDRMにおける研究の質を向上させる。
    • 研究から得られたエビデンスに裏付けられた政策、実践、ガイダンスの質を向上させる。
    • 若手研究者、ベテラン研究者、研究指導者を含む研究者及び研究コミュニティの研究能力を向上させる。
    • Health EDRMの改善のために、研究コミュニティと政策立案者、実務者、ステークホルダー間の協力と連携を強化する。