新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
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罹患後症状(2021年12月16日)
2021年12月15日 | Q&A新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症したほとんどの人は完全に回復しますが、現在得られているエビデンスによると、罹患して回復した約10%~20%の人に、さまざまな中・長期的影響が出るとされています。これらの中長期的な影響を総称して、COVID-19罹患後症状または「long COVID」と呼んでいます。このQ&Aは、COVID-19罹患後症状についてより深く理解し、ご自身や周りの人を守るために十分な情報を得るための判断材料としてお役立てください。COVID-19そのものと同時に、COVID-19罹患後症状についての認識が広まり続けていることも注目に値します。研究者たちは、COVID-19罹患後症状を呈する患者とともに、その原因、症状、影響についてより深く理解するために研究を進めています。WHOは、詳細が分かり次第、情報や資料を更新していきます。
現在、COVID-19罹患後症状と診断されるまでの最短期間は、COVID-19の症状が初めて出てから通常3か月間です。3か月という期間は、通常、病後の回復に必要な時間を除外したものです。
COVID-19罹患後症状を発症した可能性がある場合は、医療機関に相談し、治療を受けてください。医療機関は、あなたが罹患後症状を呈しているか判断し、症状を管理するために必要なケアを提供することができます。
現在のところ、COVID-19罹患後症状を持つ人に対する特定の薬物療法はありません。しかし、リハビリテーションを含む包括的なケアが有効であることを示唆するデータもあります。なぜこのような症状が出るのか、COVID-19後遺症の発症のメカニズムや最適な管理方法については、研究が続いています。
COVID-19罹患後症状の代表的な症状としては、以下のようなものがあります。
- 倦怠感
- 息切れや呼吸困難
- 記憶、集中、睡眠に関する問題
- 持続的な咳
- 胸部痛
- 発話困難
- 筋肉痛
- 嗅覚・味覚の喪失
- うつ病または不安神経症
- 発熱
Long COVIDとも呼ばれるCOVID-19罹患後症状の人は、日常生活が困難になる場合があります。仕事や家事といった、通常の活動をこなすのに影響が出る可能性があります。
COVID-19罹患後症状から身を守る最善の方法は、COVID-19ウイルスに感染しないよう、できる限りのことをすることです。これには、予防接種を受けることや、COVID-19ウイルスに感染し拡散する可能性を減らすことができる公衆衛生・社会対策に従うことがあげられます。COVID-19から身を守る最善の方法は、いくつかの行動を組み合わせることです。
- 他の人から1メートル以上の物理的な距離を保つこと
- 鼻と口にフィットしたマスクを着用すること
- 窓を開け換気をすること
- 咳やくしゃみを肘にすること
- 手をこまめにきれいにすること
- 自分の番が来たら、すぐに予防接種を受けること
WHOがよく言うように「できることは全てやろう!」ということです。
COVID-19罹患後症状は、「long COVID」とも呼ばれ、COVID-19を発症した後に引き続いてみられる、長期にわたる症状を総称したものです。COVID-19罹患後症状を経験した人は、「long haulers」(長く引っ張る人、の意味)と呼ばれることがあります。
COVID-19を発症した人の多くは完全に回復しますが、一部の人は、疲労、息切れ、認知機能障害(例えば、混乱、物忘れ、集中力や明晰さの欠如)などの様々な中・長期的影響が残ります。また、COVID-19後遺症として、精神的な影響を受ける方もいます。
これらの症状は、初発症状から続いている場合もあれば、回復後に発症する場合もあります。また、波を持って症状が発現したり、時間が経って再発することもあります。
COVID-19罹患後症状は、仕事や家事などの日常生活に影響を与える場合があります。
いいえ、COVID-19罹患後症状は、COVID-19の原因となるウイルスに感染した後、長期にわたって発症する症状で、他人にうつることはありません。
COVID-19罹患後症状は、COVID-19を発症した直後から続く場合と、回復後に始まる場合があります。症状に波があったり、時間が経って再発したりすることがあります。
COVID-19罹患後症状は、通常COVID-19発症の3か月後に診断されます。これにより、医療従事者は、病気後の正常な回復期間を除外することができます。症状および影響は少なくとも2か月間持続します。COVID-19とCOVID-19罹患後症状については、まだ分からないとこが沢山あり、研究が進められています。
COVID-19罹患後症状がどの程度の期間続くかを予測することは困難です。COVID-19罹患後症状についてはまだ多くが解明されていませんが、現在の研究では、COVID-19の発症後、数週間から数か月間残ることが分かっています。また、時間の経過とともに改善されるという研究結果も出ています。
COVID-19罹患後症状とは、SARS-CoV-2感染の可能性が高い、または感染が確認された既往のある人に起こる疾患と定義され、通常COVID-19の発症から3か月以内に、症状や影響が少なくとも2か月間続くものを指します。そして、その症状や影響は、他の併存する医学的診断では説明できない、という基準になります。
( 症例定義はこちら。)
COVID-19に感染すると、誰でもCOVID-19罹患後症状を発症する可能性があります。COVID-19罹患後症状は、世界中の多くの専門家によって研究されており、COVID-19罹患後症状に関する知識と理解は深まってきています。現在の研究では、COVID-19患者の約10%~20%が、COVID-19罹患後症状と思われる長期的な症状に発展していることが分かっています。
COVID-19が発症した際の初期重症度とCOVID-19罹患後症状の発症の可能性には関係がないようです。
研究は継続中です。COVID-19罹患後症状を予防するワクチンの能力は、そもそもCOVID-19を予防する能力があるかにかかっています。現在使用しているワクチンは、COVID-19による重症化や死亡を防ぐことを目的としています。ただし、ワクチンを接種しても、COVID-19に感染する人がいます。