京都大学で講演

2025年10月16日
ステートメント

2025年10月8日、WHO神戸センターの茅野龍馬医官が、京都大学で「Global Health and WHO ― Addressing the shifting needs from MDGs to SDGs」と題する講演を行いました。

講演では、WHOの国際保健における役割や、ミレニアム開発目標(MDGs)から持続可能な開発目標(SDGs)への移行によって変化した世界の保健課題が紹介されました。茅野医官は、感染症対策に加え、非感染性疾患(NCDs)、高齢化、薬剤耐性(AMR)、気候変動や災害による健康影響など、新たな課題に対する包括的なアプローチの重要性を強調しました。 最後に、グローバル・ヘルスにおける多様な分野の協働の必要性を述べ、学生たちに国際的な視点を持つことの重要性を強調しました。

さらに、2025年10月15日にはWHO神戸センターのローゼンバーグ恵美技官が、京都大学公衆衛生大学院のGlobal Health講義の一環として、英語によるオンライン講義を行いました。講義では「A brief history of international cooperation for health and the World Health Organization」をテーマに、国際保健における主要な出来事とWHOの役割について解説しました。

講義では、19世紀後半に欧州で行われた国際衛生会議に始まり、WHOの設立、国際保健規則(IHR)合意、天然痘根絶など20世紀におけるグローバルヘルスの重要な節目を示した後、IHR改正、SDGs、COVID-19対応に至る現代までの流れを概観し、国際保健が「international health」から「global health」へ発展する過程を説明しました。また、COVID-19ワクチンの公平供給におけるWHOの調整的役割とその成果を紹介し、質疑応答では、アメリカのWHO脱退によるグローバルヘルスへの影響について活発な意見交換が行われました。