まだわかっていないこと

まだわかっていないこと

災害・健康危機管理のための人材開発

災害・健康危機管理の分野では、効果的な人材育成戦略の基盤となるエビデンスが、まだ相当不足しています。この不足を埋めるために必要なのは、研究や能力開発への投資を続け、これによって、熟練し、レジリエンスと順応性を有し、非常事態や災害に効果的に対応できる医療従事者を育成することです。保健医療制度の強化、国際標準を地方の事情に合わせて変更・調整すること、そして災害・健康危機管理に従事する人びとの多様な役割を完全に理解すること-これらが特に注力すべき重点領域です。協力と知識や成功事例の共有は、医療従事者が、将来やってくる試練に立ち向かい、世界のコミュニティの健康と安全とを守れるよう十分に備えるために不可欠です。

1.  保健医療制度とコミュニティのレジリエンスを強化する

  • 保健医療制度の安全性、持続可能性、そしてセキュリティを強化するための研究の必要性。
  • 災害時において、コミュニティに必要不可欠な資産とインフラとを保護する重要性。
  • コミュニティを基盤とした災害に対するレジリエンス介入とトライアルに関するエビデンスの不足。 
  • 災害・健康危機管理に必要とされる知識と能力の理解が不十分。
  • 従事者に向けた包括的トレーニングプログラムと専門能力の開発の必要。
  • トレーニングを積んだ人材の定着、動機付け、効果的活用に課題がある。
  • 国際標準の各地域事情に応じた変更に関する研究が不十分
  • 多様な状況における災害への有効な対応に向けた実務的実装研究が必要。
  • 国際標準が、具体的な国々にとって意味を持ち、適用可能であることの担保。
  • 災害・健康危機管理に従事する人材開発戦略の評価とモニタリング。
  • 災害・健康危機管理に従事する多様な人材(医療専門家、救助要員、コミュニティワーカーおよび緊急医療チームが含まれる)の定義や特徴付けが十分に明確でない。
  • これらのグループの役割と責任とについて明確な理解を得ることが、効果的な人材開発と災害対応に必須。
  • 地域の医療従事者育成支援、地域内外の従事者間の連携促進、そして将来のレジリエンスを確保するためのリスク軽減策を完全なものとするための戦略が必要。