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災害・健康危機管理のための人材開発

 

医療労働力に関するデータ

災害・健康危機管理のための人材計画・管理を効果的に行うためには、各国の危機と能力を反映した信頼できるデータが必要となります。信頼できるデータの入手は、健康危機に効果的に対応できる人材を育てるために非常に重要なのです。戦略的計画立案と管理に使える医療労働力関係のデータは、いくつかのデータベースから入手可能です。以下にそのようなデータベースを紹介します。

    1. 『WHO世界医療労働力統計データベース(仮訳)』
      持続可能な開発目標の3cは「開発途上国、特に後発開発途上国や小島嶼開発途上国で、保健財政や、保健人材の採用、能力開発、訓練、定着を大幅に拡大する」と定めています。このデータベースでは、国際標準職業分類(ISCO08)の更新版に基づく、WHO加盟国の医療労働力に関するデータを見ることができます。医療労働力に関する指標としては、医師、看護師、歯科医師、薬剤師、環境・労働衛生専門家、医療・病理検査技師、メンタルヘルス専門家、伝統・補完医療従事者、コミュニティヘルスワーカーなどの人数が含まれています。

    2. 人材の維持は、国際保健規則(IHR)の掲げる13のコア・キャパシティのひとつです。コア・キャパシティには、公衆衛生上のリスクや非常事態の発生を検知し、評価し、通知し、報告を行い、対応する能力が含まれています。『IHRコア・キャパシティ・インデックス(仮訳)』は、締約国質問票(IHRモニタリング質問票とも呼ばれます)であり、データ収集のために毎年各国のIHR連絡窓口に送付されます。これにはコア・キャパシティ(実施状況を含みます)のそれぞれをモニタリングするために特別に開発された20の指標のチェックリストが含まれています。

    3. 国連人道問題調整事務所(OCHA)のウェブサイト『世界の人道支援活動の現況-だれが、どこで、なにを(3W)ポータル(仮訳)』では、人道支援の担い手がどこで活動しているかを、分野と地域ごとに、見ることができます。

    4. 国際労働機関(ILO)のウェブサイト『医療雇用データ(仮訳)』では、保健医療・社会福祉部門における特殊技術を要する保健医療職と雇用全般に関する最新の数値が提供されています。ここには、保健医療関連機関で働くすべての人々(管理業務に従事する人びとや清掃員などの非保健医療職、さらには社会福祉活動に従事する人々が入ります)が含まれています。

    5. 医療従事者に対する暴力のモニタリング。WHOの推計によると、8~36%の医療従事者が、業務上、身体的暴力を経験しています。