セクション5:研究プロセスと研究成果を論証する特別テーマ

5.1章 災害時のメンタルヘルス研究


著者:Newnham EA, Reifels L, Gibbs L.


第5.1章では、災害・健康危機管理(Health EDRM)に関連するメンタルヘルス研究の重要性について、以下の点に沿って、記述されています。 

  1. 災害がもたらすメンタルヘルスの影響 
  2. メンタルヘルスの評価に適した研究方法 
  3. 災害時のメンタルヘルス研究を支援するための連携の重要性 
  4. 苦痛の経験や表現を定義する文化の役割 

本章について

メンタルヘルス研究は、被災者の健康ニーズ、適応のプロセス、転帰の決定において重要な役割を担っています。災害・健康危機管理に関連した厳密なメンタルヘルス研究の実施に関するガイダンスは、エビデンスベースを拡大し、サービス開発のための重要な領域を明らかにするのに役立ちます。

本章では、最近の研究で適用されている方法の概要と、メンタルヘルス評価のための厳密な研究を開発するための重要な検討事項を提示します。定量的・定性的手法や参加型行動研究など、本書の他の章で説明した方法論をメンタルヘルス研究に適用した場合の価値を説明しています。また、この章では、災害の影響を受けた人々と研究・提携する際に考慮すべき社会的・文化的要因のリストも提供しています。

本章のケーススタディ

  1. 2009年オーストラリアの山火事におけるコミュニティとの協力を介したメンタルヘルスへの影響評価
  2. 地震で被災した中国とネパールの青少年の苦痛の表出

本章のキーメッセージ

  • 被災者の具体的なニーズや、災害後の数ヶ月間の介入の有効性を明らかにするために、厳密なメンタルヘルス研究が必要です。 
  • 心理的適応にかかる時間、研究サンプルの特性、苦痛の文化的表現などを考慮することが、研究計画に反映されます。
  • 災害・健康危機管理における有効な研究、能力開発、成果の長期的な普及には、地域社会の関係者、機関、研究協力者との連携が不可欠です。 
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