- ホーム/
- 活動内容/
- 災害・健康危機管理/
- 研究手法の標準化と向上/
- ガイダンス各章/
- セクション5:研究プロセスと研究成果を論証する特別テーマ/
- 5.2章 クラウドソーシングを用いたデータ収集
セクション5:研究プロセスと研究成果を論証する特別テーマ
5.2章 クラウドソーシングを用いたデータ収集

Section navigation
- セクション5:研究プロセスと研究成果を論証する特別テーマ
- 5.2章 クラウドソーシングを用いたデータ収集
- 5.1章 災害時のメンタルヘルス研究
- 5.3章 難民および国内避難民
- 5.4章 先住民
著者:Wazny K.
第5.2章では、クラウドソーシングの基礎と災害・健康危機管理(Health EDRM)との関連について、以下の点に沿って、解説しています。
- クラウドソーシングとは何か
- クラウドソーシングと関連用語との違い
- クラウドソーシングの長所と限界
- クラウドソーシングを利用してデータ収集する研究における検討事項
本章について
クラウドソーシングは、多くの人々の知識、創造力、あるいは人的リソースを一度に活用するための方法として、あまり利用されていません。災害・健康危機管理の研究者がデータを迅速に収集し、コミュニティの技術へのアクセスを活用することで、意思決定者にタイムリーなエビデンスを低コストで提供することができます。
この章では、クラウドソーシングの基礎と災害・健康危機管理との関連について説明します。比較的新しい研究ツールであるクラウドソーシングについて説明し、これが災害・健康危機管理の研究にどのように役立つかを示します。また、クラウドソーシングが解決できる問題の種類を、クラウド処理、クラウド評価、クラウド解決、クラウド創造などの分類で紹介します。BioGames(マラリア診断ビデオゲーム)、OpenZika Project(ジカ熱治療薬候補のデータ駆動型シミュレーションアプリケーション)、MoBuzz(スリランカのデング熱対策用参加型疫学アプリケーション)などいくつかのクラウドソーシングアプリケーションを説明し、災害・健康危機管理の状況と一般保健分野の両方におけるケーススタディを提供しています。この章では、クラウドソーシングを利用した研究を設計する際に考慮すべき要因について結論付けています。
本章のケーススタディ
- 牛の体重推定におけるクラウドソーシングを利用した歴史的な例
- 2010年のハイチ地震の際に、Ushahidi SMSのクラウドソーシングを利用して第一応答者に情報を提供した例
- 地震が多発するネパールで、Open Street Mapを使用して学校や医療施設の地図を作成した例
本章のキーメッセージ
- クラウドソーシングは新しい分野ですが、災害・健康危機管理にとって大きな可能性を持っています。
- クラウドソーシングは、従来のデータ収集方法に代わる、低コストで迅速な方法となり得ます。
- クラウドソーシングが解決できる問題には、クラウド処理、クラウド評価、クラウド解決、クラウド創造など、いくつかの異なるものがあります。
- クラウドソーシングの研究に利用できるオープンソースのアプリケーションもいくつか存在しています。