世界メンタルヘルスデー2025

2025年10月10日
ニュースリリース

毎年10月10日は世界メンタルヘルスデーです。メンタルヘルスが基本的人権であることをふまえ、メンタルヘルスの問題に関わる人たちがその取り組みについて話し、世界各地の人々がメンタルヘルスケアを受けられるよう支援を広げる機会となっています。

今年のテーマは「災害・危機発生時におけるメンタルヘルス支援とサービスの提供」です。災害の発生時、特に避難を伴う場合や、誰かを亡くしたり、リソースが不足したりする場合は、メンタルヘルスの状態が悪化することがあります。被災の経験は人によって異なり、長期になりかねない災害・危機が原因となって、メンタルヘルスに不調をきたす人もいます。また、子どもや若者の方が心理的な問題の発生率が高くなります。

WHO神戸センターは、メンタルヘルスと心理社会的サポート(MHPSS)のプロジェクトの一環として、災害・危機発生時のメンタルヘルスに関する研究を実施しています。

当センターの茅野龍馬医官は「災害・健康危機管理には、早期の有効なMHPSSによる介入が不可欠です。適切なタイミングでのMHPSSによる介入は、特に災害・危機等の発生前・発生時・発生後にMHPSSの制度やサービスが機能すれば、メンタルヘルス悪化のリスクを低減しリカバリーとレジリエンスを促すことができます」と話します。

当センターが支援した研究の一環で、既存の災害関連のMHPSSに関する政策やプログラムについて調査した結果、体系的な評価が世界全体で不足していることが明らかになりました。このような評価はエビデンスに基づく政策の立案や実行に欠かせません。

「メンタルヘルスは防災計画に取り入れるべきであり、避難者や最前線での対応者など、特に支援を必要とするグループに向けた戦略を含める必要があります。またMHPSSに携わるスタッフやボランティアへのサポート強化は、燃え尽き症候群を防止し、災害・危機発生時にメンタルヘルスのサポートを必要とする人に、継続してサービスを提供できるようになります」

WHO神戸センターは、災害や危機等が健康に与える影響から多くの人が保護されるための研究を実施し、その成果を普及しています。当センターによるMHPSS関連の活動についてはこちらをご覧ください。