まだわかっていないこと

まだわかっていないこと

メンタルヘルスと心理社会的サポート(MHPSS)

最新の研究によれば、非常事態下のMHPSSについて、まだわかっていないことが相当残っています。課題は様々な重要な分野について存在しています。

  1. 災害が健康に及ぼす長期的影響
    • 災害後、長期間に及ぶメンタルヘルスに対する影響に関する研究が限られている。
    • コミュニティの持つ長期的なレジリエンスや対処能力について十分にわかっていない。
    • 長期的なメンタルヘルス支援のための戦略が必要である。

     

  2. 心理社会的マネジメント
    • メンタルヘルスや心理社会的リスクの分類が表層的である。
    • 標準化されたスクリーニング、診断、そして治療法が限られている。
    • 何がリスクとレジリエンスに影響を与えているのかにつき、さらなる研究が必要である。

     

  3. 用語に関するコンセンサスがない
    • MHPSSの専門用語が標準化されていないため、協調が難しい。
    • 明確なコミュニケーションのためには、心理社会的専門用語についてのコンセンサスが不可欠。
    • 一貫した専門用語を用いることによって、比較研究や知識の共有が進むはず。

     

  4. ハイリスクグループ 2.5章参照)
    • MHPSS活動を広げていく必要がある。特に、非主流派やリスクにさらされているグループについてその必要性が高い。
    • 持病のある人びとにとっては、災害後のこころのケアが極めて重要。
    • 早期発見とケアへのアクセスを優先することで、より公平で効率的なケアが可能となる。