WHO神戸センターは、「継続的なケアのための資金調達:低・中所得国に向けた教訓」に関する一連の研究ブリーフの締めくくりとして、「健康な高齢化を促進するテクノロジー」に関する研究ブリーフを発表しました。
研究からわかった要点は次の通りです。
- テクノロジーは、高齢者の日常的な動作に必要な機能的能力を維持・改善し、その結果、集中的な継続的ケアを必要とする時期を遅らせることができます。
- アシスティブ・テクノロジー(支援機器)によって、視覚や聴覚、移動、自己管理、コミュニケーション、認知の障害など、高齢者によく見られる問題の影響を軽減し、日常生活の動作に生じる制約に対処することができます。
- 安全で自立した生活を可能にする技術により、エイジング・イン・プレイス(高齢者が住み慣れた家・地域で暮らすこと)を支援できます。例えば、転倒や事故を検知する技術は、インフォーマルおよびフォーマルな継続的ケアのサービスの利用開始を遅らせることができます。
- 継続的ケアの公的給付の一環としてテクノロジーの利用を含めれば、そうした技術の利用が促され、効果的な実施と適切な利用に必要な支援が行われることが期待できます。
- テクノロジーによって、継続的ケアを担う労働力の生産性を向上させる可能性もありますが、多くの継続的ケアの制度ではそのような技術に資金が投入されておらず、生産性の向上はまだ実現に至っていません。
当センターは、高齢化社会においてユニバーサル・ヘルス・カバレッジの実現に向けた動きを加速するため、サービス提供モデルのイノベーションと持続可能な資金調達に関する研究を実施しています。継続的なケアのための資金調達に関するプロジェクトの研究ブリーフ一覧はこちらをご覧ください。