セクション 3:研究スコープの決定

3.3章 災害・健康危機管理における研究的介入のデザイン


著者:Wong CKP, Chan EYY.


第3.3章では、災害・健康危機管理(Health EDRM)のための介入をデザインする際に考慮すべき重要な要因について、以下のように説明しています。 

  1. 緊急事態、災害やその評価研究で明らかになった健康リスクの管理を目的とした介入策をデザインするための主要な社会科学および行動科学の理論、モデル、およびフレームワーク
  2. 理論に基づいた介入方法 
  3. 行動変容を促す介入の計画・開発方法

本章について

研究から得られた知識を、重要なニーズやリスクに対処するための介入策の実施に活用することは困難です。介入策開発のためのフレームワークは、災害・健康危機管理に関連する介入策のデザインまたは評価に役に立ちます。 

本章では、災害・健康危機管理の介入策をデザインするための実践的・理論的なフレームワークをいくつか説明します。このフレームワークは、ニーズ調査を含む計画段階から始まり、介入に活用できるような行動・環境変容やその理解に使われる理論及びモデルの概要を説明するものです。 

本章のケーススタディ

  1. インフルエンザのパンデミックを防ぐための非薬物的介入。 
  2. コートジボワールの高伝染性エボラウイルスに対処するための保健介入の重要性。 
  3. 中国郊外の地震多発地帯の過渡期にある農村における健康教育介入。 

本章のキーメッセージ

  • 災害・健康危機管理の効果的な介入方法の開発には、最も関連性が高く適用可能な理論やモデルを検討し、関連するアプローチを理解することが必要です。 
  • 介入デザインの基礎となる理論は、健康リスクや問題、対象となる集団やその健康リスク要因の理解に基づいて選択されなければなりません。 
  • 変化させることが可能な因子と変化のメカニズムが特定されるべきです。 
  • 介入の実施を正当化するために、有効性のエビデンスを示すようなトランスレーショナルリサーチは必要です。 
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