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セクション 3:研究スコープの決定
3.5章 リサーチクエスチョンの決定

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著者:Clarke M, Zhang Y.
第3.5章では、災害・健康危機管理(Health EDRM)における不確実性を解消するために、リサーチクエスチョンを決定する際に考慮すべき重要な要素について、以下のように記述しています。
- 研究すべき一般的な課題を決定します。
- 研究のための正確なリサーチクエスチョンを定義します。
- 研究が優先され、既存のエビデンスベースに重要な貢献をし、資金やその他の資源を無駄にしないことを確認します。
本章について
研究計画を立てる際の最初の課題の一つは、その研究が答えようとするクエスチョンを明確に述べることです。研究課題の優先順位付け、選択、定義の仕方に関するガイダンスは、研究者が無駄を省き、災害・健康危機管理の意思決定に資するエビデンスを得るのに役立つことを目的としています。
本章では、災害・健康危機管理に関連する様々な研究に適した研究課題と研究の種類をいくつか概説します。評価研究を計画し、関連性のある適切なリサーチクエスチョンを選択するためのフレームワークを提供するものです。
本章のケーススタディ
- 2008年中国汶川地震後の四川大学西中華病院入院患者数と死亡者数の解析。
- 熱波中の扇風機の使用による健康への影響を調査する研究の立案。
- 人道支援活動に関する優先順位の高いシステマティックレビューを特定するための、エビデンスエイドの優先順位付け作業。
- 災害時の急性期医療対応に関するデータ報告用テンプレート。
本章のキーメッセージ
- 災害・健康危機管理のエビデンスの溝を埋めるための調査研究を計画する際には、比較対象も含めて明確なリサーチクエスチョンを定義することが不可欠です。
- 測定・報告される研究結果は、リサーチクエスチョンに答え、意思決定者に影響を与えるエビデンスを提供できるよう、慎重に選択される必要があります。
- 既存のエビデンスのレビューは、新規研究の優先性を検討することや、その研究課題に対する答えが既存の研究から得られないことを確認するのに役立ちます。
- 研究を迅速に実施する必要がある場合(突発的な災害など)、パイロット試験や実行可能性の試験が必要となる場合があり、デザインを「棚上げ」にして、研究を開始できるようにしておくことが重要となります。