セクション 3:研究スコープの決定

3.6章 課題の評価とスコーピングレビューの構築


著者:Affun-Adegbulu C, Ardalan A.


第3.6章では、災害・健康危機管理(Health EDRM)の研究計画を立てる際のスコーピングレビューの役割について、以下のように説明しています。 

  1. 研究手法としてのスコーピングレビュー
  2. 手順を含む方法論の適用と結果の報告。 
  3. スコープレビュープロセスを円滑にするツール

本章について

新しい災害・健康危機管理研究についての決定は、既存のエビデンスの理解に基づくべきである。スコーピングレビューは、意思決定者と研究者が研究活動の広がり、範囲、性質を調査するのに役立ちます。スコーピングレビューは、(a)完全なシステマティックレビューを実施することの価値を判断し、(b)既存の研究成果を要約して普及させ、(c)研究の差異を特定するのに役立つことができます。 

本章では、スコーピングレビューの方法論を概説・説明し、適切に準備されたスコーピングレビューが、災害・健康危機管理研究の疑問点を解釈する上でどのように役立つかを説明します。また、2つのケーススタディを用い、(a)中低所得国(LMICs)における災害管理のエビデンスベースを評価するためにスコーピングレビューがどのように利用されているか、(b)公衆衛生緊急事態への備えに関するエビデンス・ギャップを明らかにします。 

本章で紹介されているケーススタディ: 

  1. LMICsにおける災害管理に関するエビデンスベースのスコーピングレビューの 例  
  2. 公衆衛生上の緊急事態に対する備えのエビデンスギャップに関して、利害関係者に情報を提供するためのスコーピングレビューの例。 

本章のキーメッセージ

  • スコーピングレビューは、ある対象分野における利用可能なエビデンスをマッピングし、統合するものです。 
  • 研究活動の広がり、範囲、性質を測定し、より正式なシステマティックレビューを実施する価値を判断し、エビデンスギャップを特定し、リサーチクエスチョンを特定するために使用することができます。 
  • スコーピングレビューはシステマティック・レビューとは異なりますが、スコーピングレビュー自体が研究手法として確立されています。したがって、透明性、妥当性、再現性という研究の原則を遵守する必要があります。 
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