セクション7:研究者の手引き

7.4章 倫理審査による承認取得


著者:Lo SK, Lam HCY, Chan EYY.  


第7.4章ではWHOガイダンスに焦点を当て、災害・健康危機管理(Health EDRM)に関する調査研究の倫理審査承認の申請に関連して以下のことについて説明します。

  1. 研究プロジェクトの倫理審査承認に関する一般的なプロセス 
  2. 倫理審査申請に通常必要な文書の種類 

本章について

知識の追求と災害・健康危機管理(Health EDRM)研究の参加者の安全性と健康を確保することのバランスを取ることは重要ですが、倫理審査の承認を取得するための標準的なガイダンスは災害現場で使用することが難しい場合があります。

この章ではWHOの倫理審査承認ガイドラインの一部である手順、必要文書や重要なポイントなど、さまざまな種類の倫理レビューに関する一般的な概略を説明しています。ガイダンスは研究に参加する人々が倫理的に扱われ、利用されることなく、研究が高い倫理基準で実施されることを保証することに役立つと考えられています。

本章のケーススタディ

  1. 2014年から2016年のエボラ出血熱の流行において倫理審査プロセスが加速したことの価値

本章のキーメッセージ

  • ヒトの参加者が関わるすべての調査研究は倫理審査委員会によってレビューを及び承認されるべきです。研究が完全なレビュープロセスから免除されるかどうかは委員会の決定次第です。 
  • 研究は、参加者の安全性と機密性が身体的及び精神的に(プロトコルと文書で)保護する方法で実施され、ヘルシンキ宣言をもとにした原則に従って実施されるべきです。 
  • 必要な倫理審査の種類は研究の性質や緊急性によって異なります。 
  • 現在の倫理審査の手順は、緊急ではない倫理審査のプロセスにかかるリードタイムが比較的長いため、特に緊急事態発生や災害の際に災害・健康危機管理の文脈で直面する課題に完全に適用できない可能性があります。緊急事態の研究において特別なニーズに対応するために、倫理審査の手順を変更することが必要です。 
  • 倫理審査申請の要件は研究倫理委員会(REC)によって異なります。研究者は申請書を提出する予定のRECの要件を確認する必要があります。 
本章をダウンロード
本章の概要についてもっと見る