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セクション4:研究デザイン
4.7章 災害・健康危機管理における経済的影 響の評価

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- セクション4:研究デザイン
- 4.7章 災害・健康危機管理における経済的影 響の評価
- 4.1章 介入効果評価の研究デザインの基本原則
- 4.2章 課題の評価:基本的統計
- 4.3章 クラスターランダム化比較試験
- 4.4章 良質なデータの収集と管理
- 4.5章 発展的統計テクニック
- 4.6章 健康関連リスクのモデル化
- 4.8章 地理情報システム (geographical information system)
- 4.9章 リアルタイム症候群サーベイランス
- 4.10章 災害・健康危機管理介入の研究・評価 におけるロジックモデルの活用
- 4.11章 災害・健康危機管理におけるコミュニ ケーションの研究と研究のコミュニケーション
- 4.12章 質的研究
- 4.13章 混合研究法を用いた複雑性への対処
- 4.14章 災害下における自然実験
- 4.15章 モニタリングと評価
著者:Clarke L, Drummond MF.
第4.7章では、災害・健康危機管理における経済的影響の評価について、以下の項目にフォーカスし、説明します。
- 経済評価や経済効果調査が、災害・健康危機管理(Health EDRM)における意思決定をどのように支援できるか。
- これらの研究を実施する研究者が利用できる方法
- 研究の限界(エビデンスギャップや方法論的課題など)
本章について
経済評価と経済効果調査は、意思決定に際し、競合する支出の優先順位を管理し、財政予算の価値を最大化するのに役立つため、重要です。
本章では、災害・健康危機管理における経済的影響の評価について紹介します。経済的影響を評価することの価値、経済評価の実施に関わる主な概念、災害・健康危機管理の文脈における限界について概説しています。本章では、過去または将来起こりうる事象のコストと結果を定量化する経済影響調査、およびプログラムや政策のコストと結果を代替策と比較して評価する構造化された方法である経済評価について説明します。これらの研究の実施とその結果の適用は、災害・健康危機管理における予防、準備、対応、復旧活動の計画と評価の一部となり得ます。本章では、意思決定者に情報を提供し、家庭、保健システム、より広い経済への経済的影響に対処するのに役立つ研究の例をいくつか挙げます。
本章のケーススタディ
- 将来のインフルエンザ・パンデミックに備えた抗ウイルス剤備蓄戦略:世界疫学・経済学の観点
- シカゴにおけるパンデミックインフルエンザの疫学的・経済的影響:ワクチン介入のための優先事項
本章のキーメッセージ
- 災害・健康危機管理における経済的影響の評価は、予防・準備・対応・回復活動に役立つ情報を提供し、改善につなげることができます。
- 経済評価と経済効果研究は、介入策や事象の影響を評価するための確立された方法です。研究者は、既存の専門家集団によって構築された標準的な手法と知識を活用することができます。
- 現在のリサーチギャップは、研究者が災害・健康危機管理の文脈で経済的成果をどのように検証するかについて具体的なガイダンスを作成し、経済評価を取り入れ、経済的成果に対して社会的視点を用い、低・中所得国を対象とした研究をさらに実施する機会があることを意味しており、これらは全て災害・健康危機管理実践改善のために有用で利用可能な情報を提供しうるものです。